7.さらに細分化される専門医制度
大抵の医療保険では患者が希望する病院や医師の指定は難しい。企業では従業員に掛ける保険料の負担増から、最小限度までの医療保険しか掛けてないからだ。メディケアでは、政府が決めた保険料にプラスして特別保険料を支払っておくと、好きな医療機関にかかれるといった方法が導入されている。かかりつけとなるホームドクターには、家庭専門医(Family Practitioner)、内科医(Internist) 、小児科医(Pediatrician)、一般医(General practitioner)などがある。怪我や病気のときは連絡を取り指示を仰ぐことになるが、診療時間外でも電話をかけるとアンサリングサービスにつながり、連絡が取れるようになっている。
家庭専門医は日本にはない医療分野だが、小児科、外科、内科、婦人科と全般にわたって、疾病や怪我の90パーセントを処置できるので便利な医者である。しかし高血圧や糖尿病などの持病のある人は内科医を主治医にしている。大きな怪我、骨折、ヘルニア、腫瘍など手術が必要な場合は、家庭専門医が外科医、病院と連絡を取り合って治療の指示を与えるのが普通である。外科医はさらに、整形外科医(Orthopedicsurgeon)、麻酔科医(Anesthesiologist)、肛門医(Protocologist)、足病治療医(Podiatrist)などに分かれている。扁桃腺(Tonsillitis) や耳の炎症などは、耳鼻咽喉科医 (Otolaryngologist or ear, nose & throat specialist)が治療を行なっている。目を治療する眼科医 (Eye doctor or eye specialist)と視力を検査する検眼士(Optometrist)は異なる。眼鏡を必要とする場合は、眼鏡屋(Optician)に行き、検眼士に検眼してもらう。
歯科医もその治療によって、細かく専門分野が分かれている。小児歯科医(Children's dentist)、矯正歯科医(Orthodontist)、歯を抜いたりする口腔外科医(Oral Surgeon)、歯槽膿漏など歯ぐきの病気を専門とする歯科医(Periodontist)、歯科衛生士(Dental hygienist)などがある。アメリカ人の子供達が歯の矯正をしているのをよく見かけるが、これは歯の矯正に対する認識が高いためである。診察を受けるには、まず電話で日時のアポイントメントをとるのが常識。ほとんどの場合、初診か健康診断か、あるいは病気や怪我の場合は、どんな具合なのか聞かれる。1日に医者が診察する患者の数は限られているので、電話をしたその日のうちに予約が取れるとは限らない。かかりつけの医者が不在の場合は、大抵同じオフィスにいるほかの医者が代わりに診てくれる。