10.病院から在宅医療へのシフト
病院での治療が終わると、患者はホームドクターのもとに再び帰されるが、術後の療養を必要とする場合は社会生活が出来るまで中間医療施設に入るのが一般的だ。近ごろ医療費を急増させているのがこのナーシングホームで、患者の世話はそこに勤務する看護師が当たっている。治療の指示はすべてホームドクターが行い、病状に応じて往診まで行う。そこで処方された薬は契約した薬局から届けられる。
メディケアの対象者にDRG(Diagnosis Related Group;診断群制度)が導入されると、病院から追い出された病人をケアするナーシングホームが急増した。疾患毎に入院日数と医療費の上限が決められたことで、定められた期日を超えて入院すると患者の負担が大きくなるからだ。ナーシングホームにおける医療費は、おおむね20日までは政府が負担する。それでも病院の費用に比べたら5分の1の出費で済んでいる。
ナーシングホームは看護師が患者をケアする医療施設で、病院とホームドクターの中間に位置する施設だと思って貰えばいい。退院後、患者が一人で社会生活が出来るまで1日3食付きで療養することができる。20日までは公費負担だが、それ以上滞在する場合は1日につき84ドル50セントを超える部分について補償される。だが100日を超すと全額患者負担になる。対象となる人は公的医療を受けるもので、病院に3日以上入院し退院後1カ月以内に限られている。ナーシングホームは全米に19,000施設あって、なかでも12万床を有するビバリーエンタープライズ社が最大の企業となっている。