17.先進国の平均入院日数と糖尿病疾患

病院で使われている医療費は4、411億ドルで、総医療費の40.1パーセントを占めている。そのうち政府の負担額は44パーセントに上っている。DRGの導入は老人医療費の自発的コストダウンを引き出すのが目的だったが、本音は治療と回復の場であるはずの病院がお年寄りの死に場所になっている現状から、本来の姿を求めていくことにあったと解釈できる。
実際のところ、病院やナーシングホームで終末を迎えるお年寄りの数は80パーセントを超す状況にある。一方、家族に囲まれながら家庭で人生を終わりたいと希望しているお年寄りの数は、本人の聞き取り調査から83パーセントと高い数字に上っている。確かに、メディケアの入院日数はDRGの導入によって20パーセントから短縮された。
1986年に入るとメディケアとメディケイドの手術のうち、51疾患については外来ベースで行うことを決定した。日帰り手術センターは病院と比較して三分の一の費用で済むからで、白内症や子宮筋腫などの手術は入院することなく日帰りに変更されている。これは鍵穴ほどの小さな開口部から手術を行う技術が開発されたからで、レーザーが従来のメスにとって変わったことも大きい。
超小型の電球とカメラと手術器具を一本の管にまとめ、これを挿入して処置する方法が開発されると日帰り手術センターの役割は大きな広がりを見せた。虫垂をはじめ胆嚢、脾臓、副腎などの摘出も日帰り手術センターで簡単に処置できるようになった。心臓弁の交換も胸骨をノコギリで切る必要もなくなったし、脳手術も小さな穴ひとつですんでしまう。昨日までは4カ月の入院を必要とした手術も2〜3日で仕事に戻れるよう変化している。
医療技術の発達は、従来の入院手術のうち70パーセントは日帰りで行われるようになり、利用者は年間400万人に上っている。日帰り手術センターの数も2,300カ所と過去6年間で倍増している。このような医療に積極的な湘南鎌倉病院では今まで6.5日の入院を必要とした「そけいヘルニア手術」を日帰りに変更したことで、医療費は従来の181,250円から94,110円に減少したと報告している。
