保坂のりよし薬剤師連載コラム 第33回 「ファイザーが発行する処方せん薬割引カードとは」

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第33回 「ファイザーが発行する処方せん薬割引カードとは」

ファーザー社では、メディケア受給者を対象に「ファイザー・シェア・カード」を提供している。この目的は国民から得た企業利益を社会に還元することにあって、より多くの国民が処方せん薬をきちんと入手して治療が行え、また必要に応じて処方せん薬を再購入できる手助けの一貫としている。これは医薬品を必要とする患者にとっても、またヘルスケアシステム全体にとっても極めて有益な手段として評価されている。

2002年1月にスタートしたファイザー・シェア・カード・プログラムは、米国内にある51,000以上の独立薬局とチェン・ドラッグストアのネットワークを通して、200万件以上の処方せん薬を35万人以上の米国の高齢者と身障者に提供している。このプログラムは処方せん薬へのアクセスを向上させ、患者自身が治療過程を最後までやり抜く可能性を高め、健康とクオリティ・オブ・ライフを促進することに繋がっている。また、患者の健康を最優先させるために、医師・患者・薬剤師の関係を支援し、最善の医薬品を入手できるようにすることを可能にしている。この給付プログラムの特徴は、登録が簡単なこと、15ドルという手ごろな料金、無料の保健情報、近隣薬局での処方せん調剤が可能なことなどが上げられる。当プログラムはメディケア受給有資格者に、大半のファイザー医薬品を、1回の処方につき15ドルで、最大30日分購入できるようにするプログラムである。さらに、会員は24時間体制のコールセンターにアクセスして、登録手続き上の援助、他のヘルスサービスや保険給付プログラムの照会、生活習慣病など16疾病に関する読みやすい無料ヘルス教育資料の請求などのサービスを受けることができる。コールセンターの利用には、登録料、保険料、自己負担金は一切掛からない。

マリスト調査によると、「当プログラムに満足している」と答えた人は98パーセント、「登録が簡単」と答えた人は96パーセント、「15ドルという料金は手ごろである」と答えた人は93パーセント、「プログラムが提供する健康管理は有益である」と答えた人は91パーセント、「地元の薬局でカードを利用できることが非常に有益である」と答えた人は99パーセントと概ね満足できる回答となっている。なお、カードメンバーの健康管理は、このプログラムのお陰で目立って良くなっているという。特に高齢者は家の近くで使用できる給付プログラムを望んでいる。いわば処方せん薬についても、ふだんOTCを購入している近くの薬局で入手できるようになることを望んでいるのだ。

マリスト調査のもうひとつの重要な結果は、健康管理に対するファイザー・シェア・カード・プログラムの影響力だ。メンバーの97パーセントが処方通りに薬を服用しているが、これは登録前と比べると21パーセントの増加となっている。同様に、処方せん薬の入手を先に延ばした人は登録前が37パーセントであったのに対し、登録後はわずか8パーセントであった。ファイザーは有料のメディア広告、広告キャンペーン、草の根入会のイベントなどを通して、このプログラムをまだ知らない390万人の有資格者に知らせる努力を開始した。更に、ファイザー・シェア・カード・プログラムの認知度を高めるために、総計25,000以上に上る老人団体・社会福祉機関・ヘルスケアプロバイダーに働きかけている。

NCOA(National Council on Aging :米国老年問題協会)の会長兼CEOであるジム・ファーマン氏は、ファイザー・シェア・カード・プログラムについて次のように評価している。「議会がメディケア制度に処方せん薬援助プログラムを加えるまでのNCOA目標は、今すぐ出来て、且つアメリカの高齢者支援に繋がる処方せん薬セイビング・プログラムに対する認識を高めることにある。処方せん薬費用を援助するファイザー・シェア・カード・プログラム及び、その他の官民プログラムについて広く高齢者の方たちに知ってもらうために、NCOAはウェブサイトBenefits Check Up およびアウトリーチ・プログラムを通して、ファイザーならびに他の機関と協力して活動しています」 ファイザーでは、明解なヘルスコミュニケーションを目指す自社基準に基づき、全プログラム資料において、主要点にイラストなどの視覚資料を用いているだけでなく、日常語を使った会話風の読みやすい内容にしている。医師・患者・薬剤師の関係は、ヘルスケアに非常に重要な影響を及ぼしている。ファイザー・シェア・カード・プログラムはメディケア処方せん薬給付プログラムの完全なソリューションとは言えないが、2006年1月までの補償手段として重要な中間的プログラムといえる。

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連載コラムTOP


 序.米国の医療改革が
        日本に及ぼす影響


 2.民間医療保険が
        医療の中核を担う

 3.民活から始まった
        医療保障制度

 4.弱者を救済する
        公的医療保険制度

 5.税金が安く福祉充実の
        州へ人口移動

 6.地域医療を担う
        ホームドクター制度

 7.さらに細分化される
        専門医制度

 8.掛け金によって異なる
        医療サービス

 9.米国の病院における
        医療サービス


 11.在宅医療を支える
        ボランティア社会

 12.民間活力が誕生させた
        HMO医療組織

 13.ニクソンが導入した
        新医療保険

 14.カーターから
        レーガンの時代へ

 15.医療事業の
        連邦予算による支出

 16.出来高払いから
        定額払いの医療へ

 17.先進国の平均入院日数と
        糖尿病疾患


 19.公的医療費を補足する
           メディギャップ

 20.米国の処方医薬品
           上位100品目



 23.受け皿の整備が在宅
           医療を進めた

 24.バウチャーを配給する
           ブッシュプラン

 25.負担額によって決まる
           医療サービス

 26.大きな政府の
           復活になるか


 28.処方せんフィーは
          2ドル50セント

 29.6年間で612店の
          独立薬局が消滅

 30.専門性への転換を
          進めるキーン氏


 32.議会が処方せん
        薬価抑制法案を検討




 36.より手ごろな価格の
           医療を約束



 39.医療のセキュリティー
           ナンバー制度





 44.医療費を押し上げる
          医療過誤保険

 45.一夜にして
          百万長者になれる


 47.医療保険の
           不思議なからくり


 49.一杯のコーヒーが
           2億9000万円


 51.乱訴防止法は
         救世主になり得るか





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