35.ジョージ・W・ブッシュ大統領による医療改革教書より
米国の医療保険制度は、無保険者の存在と医療コストの急高騰という問題を抱えている。ブッシュ大統領とケリー候補は際立って対照的な改革案を提示した。ブッシュ大統領が民間保険と個人選択を重視しながら従来の医療保険制度を変えていくのに対し、ケリー候補は国民皆医療保険制度を導入し、医療を政府の管理下に置くことを主張した。ベビーブーマー世代の高齢化への対応を意識した選挙戦だったが、ブッシュ陣営は274人の選挙人を獲得し、43代大統領として再選された。以下はブッシュ大統領の医療改革教書である。
国民全員に質が高く利用可能な医療を提供することが大切である。米国の医療制度は技術と革新の模範となっており、われわれに長寿をもたらす新たな発見が次々と生まれている。にも関わらず、多くの人々にとって医療費は高すぎるし、医療保険に全く加入していない人たちも多い。こうした問題は、保険の適用と治療を制限するような国民皆医療保険制度では解決できない。
そのかわり、我々は国民全員が優良な保険に加入し、自分で医師を選び、高齢者や低所得者が必要な援助を得られるような制度の確立を目指さなければならない。官僚や法廷弁護士や健康医療団体(HMO)ではなく、医師や看護師や患者が再び米国の医療を主導するようにしなければならない。
医療改革は、まずメディケアから始めなければならない。メディケアは、思いやりのある社会に課された責務である。我々は米国の医療に変革をもたらしている予防医学や新薬を、高齢者が利用できるようにすることにより、この責務を新たにしなければならない。
現在のメディケアに満足している高齢者に対しては、現在の制度がそのまま適用されるようにすべきである。そして、皆さんのように、すなわち議員やそのスタッフ、その他の連邦政府職員と同様に、すべての高齢者が、処方せん薬を提供する医療保険制度を選択できるようにすべきである。
私の予算案では、今後10年間にメディケアの改革と強化に、さらに4000億ドルを計上している。メディケアの強化については、民主・共和両党の指導者が何年にもわたって協議してきた。米国の医療制度を改善するためには、高額な医療費の最大の原因のひとつに取り組まねばならない。それは、医師や病院が不当に訴えられることを常に恐れていなければならないことである。行き過ぎた訴訟のために、医療費全体が上昇し、優秀な医師が失われている。ばかげた訴訟で病気が治ったことはない。私は議会が医療責任改革法案を可決するよう求める。