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薬剤師の転職・就職サイト > お役立ち情報 > 保坂のりよしの医療制度改革レポート

39.医療のセキュリティーナンバー制度

連邦政府では患者の疾病、血液型、病歴、薬歴管理をコンピューターで管理するセキュリティーナンバーを導入したい考えを持っている。小型のICチップをIDカードの組み込む計画で、北米ならば何処で病気になろうとこのセキュリティーナンバーひとつで、直ちに治療に入れる利点がある。アルツハイマーによる徘徊老人などは人工衛星を通じて直ちに見つけることができるし、IDカードから医療情報が瞬時に取り出せるので、人混みで意識を失った人でも病院に着くまでの間、救急車の中から治療に入ることが出来る。この1分1秒が命を救えるか重症に陥るかの瀬戸際なのだ。わずか4ミリ四方の極薄のICチップには、医療情報のみならずクレジット番号からパスポートナンバーまでが記録できることから、それこそ身ひとつで世界中を旅行できる夢のような話でもある。だが個人の健康状態や病気までが国家に管理されることについて、批判が起きているのも事実だ。コンピューターによって、国民一人ひとりが管理されることに恐怖感を覚える人も少なくない。これがフリーメイソンによる地球戦略の一貫だという人もいる。

保釈中の犯罪者やペット、放牧した牛の追跡に、人工衛星を使って居所の分かる発信装置が付けられているのは有名だが、一部の話ではこの電子認識票「ベリチップ」を、脱獄経歴のある重要犯罪人の皮下に埋め込む実験が既に行われているという。立ち入りが禁止されている場所に彼らが侵入すると、警報機が鳴って知らせる仕組みになっている。このベリチップを医療用として、病人の体内に埋め込もうとしている。体の表面にスキャナーをかざせば、患者の体質や治療歴を専用のデータベースから引き出すことができる。販売元の米アプライド・デジタル・ソリューションズ社によると、ベリチップは米粒ほどの大きさで、上腕三頭筋の皮膚の下に埋め込む。実際の埋め込みに要する時間はわずか数分と容易で、体内に注入された後は外部から見えたりすることは決してないので、安心できることを同社は強調している。

これには16桁の識別番号が入力されており、医師や看護師が患者の身体にスキャナーをかざして個人情報を読み取る。これをもとにデータベースに接続すれば、患者の病歴や投薬歴、血液型などの医療情報が閲覧することができる。意識不明の患者や意思疎通の困難な患者が運び込まれても、医師は適切な治療を行うことができる。薬によるアレルギー発作や薬の飲み合わせといった事故も避けられる。ただ、プライバシー保護の専門家らからは、「個人情報が盗まれないか」と懸念する声が出ている。しかし、このやり方ではベリチップ本体に個人情報を登録するのではないため、また、データベースから医療機関向けに提供される情報は暗号化されるため、データ保護などの安全性も十分に確保されるとの説明がなされている。米食品医薬品局は、こうしたベリチップの利用モデルなどを過去約1年にわたって注意深く審査し、今回の正式認可に至ったという。

同社はベリチップの利用範囲を大幅に広げることを目的に、政府関連施設や原子力発電所など重要機関への入場許可、空港や港でのセキュリティチェックに対応する種々のアプリケーションの開発も進めている。体内に埋め込まれる特性から、ベリチップのみでも十分にセキュリティを確保できるが、虹彩や指紋認証システムとセットで使用することで、さらに高度な警備体制を敷くことが可能になる。また、PCやネットワークへのアクセス、住居のキーロックシステムといった、より一般的な利用を想定したアプリケーションも上市の段階に入っている。

ほかにも興味深い医療発信装置がある。Support Systems Product Development(SSPDC)は、自分の医療情報などを録音し、意識不明の状態に陥った時に,代わって意思を伝えてくれるポータブル・デバイス「Medical Medallion」の販売を開始した。Medical Medallionは、ベルトなどにクリップして携帯できるページャーほどのサイズのデバイスで、ブラックカラーのボディに目立つデザインで「Emergency」と記され、緊急時の医療情報を記録した「Medical History Recorder」であることが、一目でわかるようになっている。事前に自分のID関連情報、緊急連絡先、係りつけの医師や病院、医療上の問題、希望するメディカルケアなどのメッセージを録音しておくと、救急隊員や医療関係者が「Play」ボタンを押すだけで、たとえ意識不明になったとしても、適確な治療が施されるよう助けてくれる。

主に慢性的な病気を抱える人や、警察官、消防士、救急隊員など、日頃から危険な状況と隣り合わせで仕事をする人を対象にしているものの、同社のMark Gibson氏は、「あらゆる人のライフセーバーとなり得るデバイス」であると述べている。

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連載コラムTOP


 序.米国の医療改革が
        日本に及ぼす影響


 2.民間医療保険が
        医療の中核を担う

 3.民活から始まった
        医療保障制度

 4.弱者を救済する
        公的医療保険制度

 5.税金が安く福祉充実の
        州へ人口移動

 6.地域医療を担う
        ホームドクター制度

 7.さらに細分化される
        専門医制度

 8.掛け金によって異なる
        医療サービス

 9.米国の病院における
        医療サービス


 11.在宅医療を支える
        ボランティア社会

 12.民間活力が誕生させた
        HMO医療組織

 13.ニクソンが導入した
        新医療保険

 14.カーターから
        レーガンの時代へ

 15.医療事業の
        連邦予算による支出

 16.出来高払いから
        定額払いの医療へ

 17.先進国の平均入院日数と
        糖尿病疾患


 19.公的医療費を補足する
           メディギャップ

 20.米国の処方医薬品
           上位100品目



 23.受け皿の整備が在宅
           医療を進めた

 24.バウチャーを配給する
           ブッシュプラン

 25.負担額によって決まる
           医療サービス

 26.大きな政府の
           復活になるか


 28.処方せんフィーは
          2ドル50セント

 29.6年間で612店の
          独立薬局が消滅

 30.専門性への転換を
          進めるキーン氏


 32.議会が処方せん
        薬価抑制法案を検討




 36.より手ごろな価格の
           医療を約束



 39.医療のセキュリティー
           ナンバー制度





 44.医療費を押し上げる
          医療過誤保険

 45.一夜にして
          百万長者になれる


 47.医療保険の
           不思議なからくり


 49.一杯のコーヒーが
           2億9000万円


 51.乱訴防止法は
         救世主になり得るか