41.豪州のメディケア医療改革案
オーストラリアにおいても、ハワード首相は現行メディケアの内容をアップグレードした「フェアラ・メディケア・プラン」を導入し、2003年11月18日には公的医療保険(メディケア)制度の新改革案「メディケア・プラス」を発表した。これは高額な治療費を支払うことができない低所得者層のためのセイフティネットとしての役割を狙った内容となっている。2006年7月までに総額24億豪ドル、以降は年間10億豪ドルを新たに投じるというものである。
メディケアはオーストラリア国民と永住ビザ保有者が対象で、公立病院の治療費と入院費を政府が全額負担する制度である。開業医の診療では規定診療費の85パーセントを政府が負担し、残りの15パーセントが患者の自己負担となる。処方せん薬の割引購入も可能である。
メディケア・プラスの大きな改革内容は、@16歳未満の小児とコンセッションカード(医療保険証)保持者の診療で、規定診療費を患者から徴収せず政府に直接請求する一般開業医については、政府からの支払額を1件につき5豪ドル上乗せする。A診療費の払い戻しの際、患者はメディケア・オフィスの窓口に並ばずに、銀行振込を選ぶことも可能となる。Bコンセッションカードの保持者と低・中所得者層については、自己負担額が1人または世帯当たり年間500豪ドル、これ以外の高所得層については自己負担額が1人または世帯当たり年間1,000豪ドルに達した場合、以降の自己負担額の8割を政府がカバーする。C地方の医師不足を解消するため、2006年7月までに約1,500人の医師と1,600人の看護師を補充する。それでも充足されない場合は、外国の医師免許保持者の採用を増やす、などとしている。