42.米国におけるヘルスケア論争の内幕
ドラッグストアは処方せん調剤に力を入れている業態だけに、複雑な医療制度について解説してきた。ところで、医療保険の実状を理解しようとするとき、最も大きな問題となることは、この分野に多数のプレーヤーがいることだ。国民皆保険制度が整っている日本と異なり、米国における医療保険制度は、国、州、郡、市で作られている数多くの法律によって規制されていることに問題点がある。現行の医療保険サービスは、種々の公共および民間の機関によって提供されており、これらは同様に途方もない数の公共、保険会社、民間医療組織の保険プログラムによって支払われている。日米の医療保険制度の大きな違いは、なんといっても民間保険が占める比率の大きさだろう。日本ではガン保険と入院保険が売り出されたばかりだが、アメリカでは民間保険の占める比率が圧倒的に高いのが特長だ。
なにものにもかえがたい命に関わる医療は、時としてさまざまな問題を引き起こす。医者が患者を診察し、医薬品を処方したり手術を施すわけだが、人がやることだけにパーフェクトはありえない。そこに論争が起きることになるのだが、さまざまな観点から、非難に値する多数の悪徳者が強く自己の利益を主張することになる。
それは患者を直接診る医者の立場、医療費を支払う保険会社、訴訟を請け負う弁護士、そして医療に不満を持つ患者の立場と、各々のしがらみによって利益が絡む連鎖的な環状線を描きだす。このあたり、交通事故を起こした際の日本の自動車保険に当てはめてもらえば良く理解できることだ。不運にも交通事故を起こしてしまった場合、被害者は無論のこと加害者においても保険会社の仲介のもとに、医療費から慰謝料まで誰れも損をしない形で解決に当たることになる。損害賠償額が上がれば、その分保険会社は掛金の値上げすれば済むことなのだ。医療論争において、解決に関わる悪徳者たちが一般的にどのようなしがらみを持っているのか、これらの問題を友人のスペンスが鋭くレポートしている。